信用組合は相互扶助を基本理念に運営していますが、融資する際の原資は組合金からの預貯金であり、信用組合を運営するにあたっての経費もかかります。
昨今は組合員の減少や預金額の減少によって厳しい状況に追い込まれている信用組合が多く、今後は人口減少や台頭するWEB系金融サービスのシェア拡大によって更に厳しい状況へ追い込まれる可能性があります。
信用組合の今後と将来性について当サイト独自の見解をまとめました。
過疎化が進む郊外は、人口減少によって経済規模が縮小して信用組合の規模も縮小する可能性が高いです。
人口や事業者数が増加もしくは横ばいで推移している都市部は、郊外に比べて衰退スピードが遅くなるでしょう。
ただし人口が多い地域でも預金額などが減少している信用組合が多く見られます。
既存組合員の高齢化が主な理由で、信用組合を利用しない若い経営者が増えていることも関係している様子です。
大企業はメガバンク、中堅企業は地方銀行、零細企業は信用組合や信用金庫など小規模の金融機関を利用する棲み分けがあり、信用組合は中小企業を中心に組合員を獲得してきた歴史があります。
昨今はネットバンクやWEB完結で利用できるファクタリングなどがシェアを伸ばし、その結果大企業が中小企業などへの融資を強化。
地銀が零細企業への融資や営業活動を拡大させるなど事業規模に応じた棲み分けが崩壊しつつあります。
元々はメガバンクや地銀では対応できない零細企業からの需要で成り立っていた信用組合は、新たな組合員を獲得する市場が限られていて衰退スピードが著しいです。
中小企業の中でも信用が高い融資に対しての返済遅延や貸し倒れリスクが少ない事業者をメガバンクや地銀に奪われた場合、信用組合の融資は更に金利が上昇する可能性があるでしょう。
信用組合の融資事業だけを見た場合、大手金融機関やWEB契約の普及で急成長しているファクタリングなどに比べた魅力が少ないです。
ただし、信用組合は組合員同士の情報交換やビジネスマッチングなどをする付加価値があるため、地域密着型の中小企業などは信用組合を活用する選択肢を持ち続けることを推奨します。
時代の変化などを考慮すると信用組合は厳しい状況にあり、預金額や融資額が緩やかに減少しているデータもあります。
少子高齢化・人口減少や他の金融サービス拡大によるシェアの低下など避けては通れない課題もありますが、しぶとく一定のシェアを獲得していく可能性が高いでしょう。
もともと信用組合は営利目的ではなく相互扶助を基本理念にしているため、預金額や融資額が減少しても維持費を確保できれば存続できます。
地域密着型で小規模の運営規模に限定されているため、拠点の維持費や人件費はそれほど高くありません。
また、与信に応じて柔軟な審査で金利を決定しているため、他の金融機関では借入できない事業者からの需要があり、規模が縮小している割に利益率が減少していないケースが多いです。
昨今はWEB関連サービスの市場規模が伸びていて、地方に拠点を置く中小企業でもWEBを活用して全国や世界を相手にビジネスをする事例が増えています。
さらにインバウンド市場が急成長を遂げていて、ちょっとした取り組みで新たなインバウンド需要を獲得することが可能です。
信用組合は預貯金と融資だけではなく、組合員同士で交流する機会を得られる団体です。
信頼できる人を通じた情報交換や相手と向き合った上での融資・サービスは、ネット情報やWEBサービスにはない魅力があります。
厳しい状況に追い込まれている信用組合も打開策を模索して様々な取り組みをしていますので、今後は成長路線へ転じる信用組合が増えていく可能性は十分にあるでしょう。